「1枚ずつ名前が違うDMを作りたい」「チケットに通し番号を入れたい」そんな希望を叶えてくれるのが「可変印刷(バリアブル印刷)」です。
でも実際、どうやってそんなことができるの?仕組みは?特別なソフトが必要?
この記事では、可変印刷の基本的な仕組みや、Excelとテンプレートの関係、どんな風に印刷されるのかをやさしく解説していきます。
可変印刷とは?まずはカンタンにおさらい
可変印刷とは、1枚ごとに違う情報を印刷できる技術のことです。
たとえば以下のようなものが作れます:
- 宛名入りDM(顧客ごとに名前や住所が違う)
- ナンバリングされたチケット(通し番号)
- シリアルコード入りクーポン
- 顔写真・名前入りの社員証
このように、印刷内容の一部を「差し替える」ことで、一括印刷でもオリジナル感のある仕上がりが実現できるのです。
どうやって「差し替え」るの?
可変印刷では、以下の2つのデータを使って「差し込み印刷」のように処理を行います。
① テンプレート(本データ)
Illustratorなどで作成した、印刷の土台となるレイアウトデータです。
宛名の入る位置や、番号を差し込む場所など、「ここに変わる情報が入るよ」という設計がされている状態です。
② Excelデータ(可変データ)
名前・番号・QRコードなど、差し込む情報を一覧化したデータです。
たとえば下記のようなExcel表をイメージしてください:
No | 名前 | クーポンコード |
---|---|---|
001 | 山田 太郎 | ABC123 |
002 | 佐藤 花子 | XYZ789 |
このExcelの1行=1枚分の情報として、テンプレートに順番に差し込まれます。
印刷会社ではどうやって処理してるの?
実際には、以下のようなステップで印刷処理を行います。
- テンプレートの読み込み(AIやPDF形式)
- 可変データ(Excel)との連携
- 1枚ずつ内容を置き換えたPDFを自動生成
- 一括で印刷&断裁&加工
ソフトウェア(例:InDesign、バリアブル対応リップソフトなど)を使って、数百〜数千枚分のデータを一括処理する仕組みです。
デザインデータとExcelの関係、ここがポイント!
よくある質問として、「どうやってテンプレートとExcelがつながるの?」という点があります。
実際には、テンプレート側で「この場所に『名前』という列の情報を入れる」という指示(変数の指定)をしています。
たとえば、テンプレート上の文字オブジェクトに「{{名前}}」と設定しておけば、Excelの「名前」列の内容が順番に差し込まれるわけです。
画像やQRコードも差し込める?
はい、可能です!
画像の場合は、Excelに画像ファイル名(例:photo001.jpg)を記載して、指定のフォルダに格納する形で対応できます。
QRコードやバーコードも、データ内容に基づいて自動生成・配置ができます。
活用例:
- 会員証に顔写真を差し込み
- 抽選券に個別QRコードを生成
- 商品ラベルにバーコード+ロット番号を可変で印刷
まとめ:Excel×テンプレートで、効率的なオリジナル印刷が可能に
可変印刷は、「個別対応」と「効率性」を両立できる非常に便利な印刷技術です。
Excelで簡単にデータを用意できるため、社内で管理している名簿や番号リストなどをそのまま活用できます。
テンプレートと組み合わせることで、1枚ごとに内容が違う、プロ品質の印刷物があっという間に完成します。
「この印刷、可変でできるかな?」と思ったら、お気軽にご相談ください。